オーナーチェンジ物件の購入後に賃貸管理会社を切り替えるには?
2020年10月10日
オーナーチェンジ物件の購入後に賃貸管理会社を切り替えるには?
オーナーチェンジ物件で物件を購入後、いざ不動産投資をはじめようとしたタイミングで様々な問題点が浮上した、とよくご相談を受けます。投資用物件のため、利回りのいい物件を探し、オーナーチェンジ物件を手に入れたとしても、そこから安定した収入が得られ、順調に不動産経営ができるとは限りません。利回りの良さだけで不動産の売買担当の売り言葉を鵜呑みにしてオーナーチェンジ物件を購入してしまった場合に、起こりうるトラブルと解決方法について、実際の不動産管理事例を元にご紹介していきます。
オーナーチェンジ物件は購入が確定するまで入居者の情報が開示されない?
オーナーチェンジ物件では、現在の賃料収入の証明だけがなされ、実際にどのような人物がどのような条件で住んでいるのかが購入直前まで開示されない場合もあります。入居者情報が開示されない場合、どのような問題が起こりうるのでしょうか?チェックしていきましょう。
家賃滞納をしている入居者がいる
初回の賃料収入などは売買時に清算されることが多いですが、初回の賃料収入発生日を伝えられ、ウキウキと振込を待っていたところ、期日になっても家賃が振り込まれなかった・・・。というオーナー様もいらっしゃいました。これは管理会社が集金代行を行っている場合にはまず起こり得ないですが、入居者からオーナーへ直接家賃を振り込むことになっている場合には起こりうるトラブルです。
というのも、こちらのトラブルについて相談を受け、調査したところ、入居者からすると以前のオーナーは2ヶ月滞納までは許可するので2ヶ月後にまとめて賃料を振り込んでくださいという口約束を入居者と交わしていたらしく、オーナーが変わったからといって急にその支払い方法を修正することも生活的に難しいというのです。書面上で覚書などの作成をしていたわけでもないので、この主張は本来であれば成立しないのですが、入居者からするとオーナー都合で勝手に支払い方法を変更するな!という意見が出るのも理解ができます。このような滞納の事実を隠していた元のオーナーがかなり悪質なのですが、法律上で違反を起こしているわけでもないので、正直泣き寝入りするしかありません。
このような状況なら入居者を追い出してきちんと家賃を支払ってくれる入居者を探したほうがいいのでは?と思うかもしれませんが、借地借家法が存在する以上、3ヶ月未満の滞納をしているだけであれば、オーナー都合で入居者を追い出すことは難しいです。さらに今回厄介だったのは、入居者が生活保護受給者だったという点です。生活保護受給者の住居の場合、区の生活保護担当者が住居を探すのですが、どこのオーナーも入居を避けるため、次のお部屋が見つかりづらい状況になります。次のお部屋が確定しないまでは、生活保護受給者の住居を守らなければならないため、勝手にこちらが訴訟を起こしたり、督促をかけたとしても、出ていってもらえる保証がなことになります。
区の担当者に根気強く協力を求め、お引越し先が決まったので無事にお部屋の解約を進め、退去していただき新規募集を進めることができましたが、入居者がどのような人なのか、どのような賃貸状況なのかを把握しないとこのようなトラブルに巻き込まれてしまう危険性は大いにあります。
相場よりも高い賃料で無理やり入居者をつけて利回りをあげていた
オーナーチェンジ物件では、表面利回り、つまり賃料が高く設定されていればいるほど、売却費用が上回ります。つまり、本来は想定賃料10万くらいの物件でも、売る直前で敷金礼金をゼロ円にしたり、入居者への特典をつけることによって無理やり賃料を引き上げ、13万で貸し出していた、というような物件の場合、利回り分値上がりした価格で物件を購入したのに、現在の入居者が出ていったタイミングで貸し出そうとしたら10万でしか募集をかけられず、購入直後から赤字経営となってしまったというのも少なくない事例なのです。また、相場賃料よりも高値で貸し出す場合に、本来であれば入居を認めないような案件(生活保護受給者、外国人のルームシェア、水商売の方)でも入居させている可能性は十分に考えられます。
オーナーチェンジ物件を売るということは、売主にとって賃貸経営をするよりもメリットがあるからこそ売り出すという事実を忘れてはいけません。必ずしもこのような悪質なケースが多いというわけではないのですが、利回りが高い物件が売り出されている場合には、本来そのマンションやアパートはどれくらいの賃料で貸し出されているのか、同じ物件での募集事例や賃料相場を調査し、把握しておくことが重要です。
保証会社や火災保険が任意加入だった
保証会社や火災保険が必須ではなく入居者の任意加入となっている場合、きちんと入居者が加入しているかどうかをチェックする必要があります。仮に、加入していない場合にトラブルが発生してしまうと、オーナー様にとって悪影響が出ます。
部屋でたばこを吸っていた、ガス漏れで火災が発生したという事態が発生した場合、その部屋だけで事態が治ればいいですが、周辺の住居にも火が飛び移り迷惑をかけてしまった場合に、莫大な損害賠償が費用として発生しますが、入居者がすぐにそのお金を払えるとは限りません。ましてや、連帯保証人が仮についていたとしても現在は極度額といって連帯保証人が保証として支払う額の限度が決まっていたりするので、全ての賠償費用が早急にオーナー様に支払われるケースはほぼありません。生命保険とも同じですが、普通は起きないから大丈夫、ではなく、起きた場合に費用を回収できないリスクを考えた上で火災保険は必ず加入させておくべきです。
安いものであれば1年1万円程度で加入できるため、リスクよりも加入料を払ったほうが安心できるのではないでしょうか?仮に、入居者が今まで火災保険に入っていなかったのだから加入したくないと拒否した場合でも、オーナー様が費用負担した上で加入させておいたほうがいいでしょう。
保証会社に加入していない場合、毎月の家賃滞納に対して支払いを待つしかないことになるため、明らかにデメリットが大きすぎます。保証会社には集金代行と代位弁済の2種類の滞納保証がありますが、いずれにせよ滞納保証がついていないと支払いを督促し続けることしかできず、収入が一向に得られない可能性もありますし、3ヶ月以上の滞納で入居者を追い出したいと思っても、民事裁判で訴訟を起こすしか方法がないため、訴訟費用がオーナー負担となってしまい、その滞納と訴訟費用を今後の賃貸経営ですぐに回収できるとも限りません。保証会社に加入していれば、保証会社が督促業務や訴訟費用をも負担してくれるため、オーナー様にとっては非常に安心できます。
それでも、保証会社によっては途中加入ができなかったり、審査が厳しく入居者の状況的に加入を認めないという会社もありますが、中には外国人や高齢者の方、生活保護受給者の方でも比較的安価で保証会社に加入させてくれる場合もあるので、1つの保証会社の審査に通らなかったからといって落胆するのではなく、複数の保証会社へ一度審査を出してみて、通ったところで契約を進めるというのも可能です。また、途中加入費用は1万円程度で対応している保証会社が多いため、こちらも入居者が支払いを拒否するようであればオーナー様が一度負担してでも加入させてリスクを回避したほうがオーナー様にとってメリットがあるはずです。
すでに賃貸管理契約を結んでいる会社の管理サービスと対応が悪い!
オーナーチェンジの際、管理を継続するのにも手数料を要求された
オーナーチェンジ物件を購入し、付帯していた賃貸管理代行契約をそのまま結ぼうとしたところ、引き継ぎ時の手数料として管理手数料や賃料の1ヶ月分を請求されるケースも会社によってはあります。それが普通なのでは?と思われるかもしれませんが、オーナーチェンジによって不動産の管理会社がすることといえば、入居者へオーナー変更の通知と、家賃の集送金方法によっては家賃の振込先の変更を行うくらいのものです。仮に、引き継ぎ時に手数料として賃料の1ヶ月分、その後5%の管理料がかかると考えると、20万円の物件の場合、初回に管理を引き継いだだけで22万もの金額が損失として発生してしまい、オーナーさんとって大きな負担となってしまいます。弊社の場合には引き継ぎも、そのあとの管理手数料に関しても無料で対応させていただいております。
契約済の賃貸管理会社の管理料が思ったよりも高かった
管理会社をそのまま利用しようとしたところ、管理手数料が8%かかることを知り、内容も普通の管理会社の業務と変わらないのにおかしいのでは?と思い、他の管理会社を探すことにしたという事例も多いです。不動産管理会社の業務内容やサービス内容によっては、5%以上の管理手数料がかかってもおかしくはないと思うのですが、なぜその管理手数料がかかるのか、内訳を確認することが重要です。しかし、管理料が安いからといってその会社の評判などを調べずに契約を切り替えるのはおすすめしません。管理料が安い分、サービスの質が悪い可能性は大いにあります。まずは担当者に連絡をとってみて、話し方や対応の仕方、会社の口コミなどを参考にしてコスパのいい管理会社を選びましょう。
引き継ぎ手続きなど、賃貸管理業務に不手際があった
本来入居者やオーナーさんに知らせるべき内容をきちんと把握せずに業務を行ってくれなかったり、問い合わせ時に適切な対応をできないような会社であれば、今後入居者に迷惑をかけないためにも、窓口業務や管理サービスを誠実に正しく行ってくれる不動産管理会社に管理を任せるべきでしょう。
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