長期空室が続く6つの要因と空室対策に向けたポイント
2020年9月22日
長期空室が続く6つの要因と空室対策に向けたポイント
いざ賃貸経営をはじめたはいいものの、空室が何ヶ月も続いていて利益が出ない、投資用不動産を購入したはいいものの入居者が決まらずに空室状態でローンだけ払い続けていて赤字経営となっている・・・このようなお悩みはございませんか?
それでも管理会社に任せておけばそのうち決まるだろうと状態を放置しておく事が一番危険です!まずはオーナー様自身が現状を理解した上で、空室が続く要因を特定し、問題点を改善する事で状況は一変するはずです。今回は、空室が続く要因として考えられる6つの要因について解説していきます。
不動産業者間でしかわからない情報もわかりますが、オーナー様ご自身でも状況を把握できる方法も併せてご紹介していくため、要因の特定につながるはずです。
空室が続く要因とは?
空室要因① 相場より高すぎる家賃
家賃が物件の状態やグレードに見合わないものである場合、入居者はいつまで経っても決まりません。では、適切な家賃とはどう決めるものなのでしょうか?「相場通りの価格」とは何を意味するのか、家賃を決めるための2つのポイントを押さえていきましょう。
相場は、REINSやATBBといった業者間データベースから調査することができます。賃貸の場合は相場がそこまで動かないため、データベースの平均値が相場となることが一般的です。一方、売買の場合は市場の動きに遅れて値が動くため、直近の成約事例での価格が参考になります。相場価格には、築年数、最寄駅(距離)、間取りの良さ、マンションやアパートのグレード、付属設備、管理方式などが影響します。間取りがよく、賃貸需要の高い1Rや1LDKなどの平米数が小さいお部屋のほうが相場は高く、利回りがいいといえるでしょう。
また、同じ物件でもお部屋のリフォームをしていたり、全体的にリノベーションを施している場合には価格が異なってきます。このような場合には新築のお部屋の家賃を参考例とし、そこから価格を落とし込んでいきます。
さて、相場価格を知った段階で、相場通りに家賃を決めると思いきや、もう1点ポイントがあります。それは、対抗物件の情報を調査することです。「対抗物件」とは同じマンションや近隣エリアの物件で、対象物件と条件や状態の近しいものを指します。この対抗物件が募集に出されている場合、その家賃を参考にして価格を定める必要があります。というのも、例えば相場価格が15万のマンションがあったとして、対抗物件がその相場よりも安い14万5千で募集に出ていた場合、圧倒的に状況は不利となってしまいます。空室を防ぐためには対抗物件よりも価格を落とすか、ADをつけて仲介業者に紹介してもらいやすくするか、ペット飼育や楽器演奏可能などの特殊条件をつける必要が出てきます。空室が続いている場合には、同じ物件や近隣物件での募集状況を調べて見るのも1つの手です。
空室要因② 物件需要と供給が見合っていない
都内23区では賃貸物件の需要は年々高まってきている傾向にあるため、空室は発生しにくいと考えられます。一方で、人口減少の傾向にある郊外のエリアや駅からの徒歩距離が離れていてバスを使わなければいけないエリアの物件などでは、当然入居者がつきにくいです。需要のないエリアでの募集では、入居者特典を用意したり、フリーレントや初期費用を抑えるなど工夫を施したうえでの募集が必要となります。最近流行りとなっているDIY可能の物件にしてみたり、近隣に駐車場や駐輪場を用意してみたりと、その時の需要に合わせた賃貸条件を考えることも重要となるでしょう。
また、そもそも賃貸需要のない物件は不動産投資に向いていないため、購入を避けたほうが身のためです。
空室要因③ 内見方法に問題がある
居住中の物件の場合には、内見なしで先行契約や先行申し込みを受け付けるという方法がありますが、部屋が空室の場合には内見可能にするのが一般的です。内見方法としては、主に近隣鍵取り、立会い、現地対応の3種類があります。それでは、それぞれの方法におけるメリット・デメリットと空室につながる要因をチェックしてみましょう。
物件と管理会社の距離が遠い場合には、物件に近しい場所にある不動産会社に鍵を預け、内見時にはその不動産会社から鍵を貸し出ししてもらって対応するケースがあります。これを近隣鍵取りと呼ぶのですが、メリットとしては鍵を不動産会社に預かってもらうため、安全性が高いという点が挙げられます。デメリットとしては、不動産会社に鍵を取りに行くということは、不動産会社が空いている時間帯でないと内見ができないことを意味するため、営業時間外や定休日などに内見したいと思ってもできない可能性があるという点が挙げられます。
では、空室が続いてしまう場合にはどのような要因が考えられるのでしょうか?それは、鍵取りの場所が明らかに物件から遠い、というケースです。鍵取りをしに行くのは仲介業者のため、なるべく手間のない内見方法がベストとなります。例えば、台東区の物件なのになぜか中央区の不動産会社に鍵を預けていたとして、内見してお部屋の入居が決まればいいですが、そうとも限らないので案内により時間や費用のかかる案件は避けられてしまいます。
立会いとは、オーナーまたは管理会社の担当者が立会いのもと内見をする方法です。オーナーがまだ居住中の物件であったり、1棟オーナーの場合にはこの方法を取ることが多いです。鍵取りと同様に安全性が高い点がメリットとして挙げられますが、立会いとなると担当者と時間のあう日程でしか内見ができなくなってしまうので、その点がデメリットとなり、空室につながる要因にもなりそうです。ですが、きちんと予定日を決めて内見する人の数は自ずと限られてくるおかげで、より物件を借りる気のある人だけを抽出できるという点はメリットでしょう。
現地対応とは、お部屋の前や物件内に鍵を設置し、施錠方法を内見前に伝えて現地で仲介業者に案内をしてもらう方法です。現地に鍵が設置されているため、立会いや近隣鍵取りと異なりいつでも内見ができるという点はメリットです。しかし、デメリットとしては鍵を現地に設置することになるため、鍵を破壊されたり、仲介業者が案内時に鍵をきちんとその場に戻さなかったりした場合に新たに鍵を作成しなくてはならないという点が挙げられます。弊社でも一度、勝手に鍵が取り外されていて内見ができなかったというケースがありました。エリアや物件の治安状況によっては危険性もあるようですが、通常は現地対応となっている物件が多く、一番内見しやすいのでターゲットも逃しづらいでしょう。
空室要因④ おとり広告として使われている
物件の状態もグレードもよく、利便性も高いため賃貸需要がありそうな物件なのに入居者がなかなか決まらないという場合にはおとり物件として使われている可能性を考えるべきです。おとり物件とは、入居予定者を集客し、来店につなげるための物件のことを指します。例えば20万で募集している物件で、他の物件よりも反響数の多い物件を管理している会社があったとします。その物件をずっと募集に出していることで、少なくとも1回以上は20万くらいの賃料でお部屋を探しているお客様が獲得できることになるため、契約をすぐに決めてしまうのではなく、他の物件にお客様を流すために利用したほうが不動産会社にとって利益となります。物件も土地も悪くないという場合はおとり物件として広告に使われている可能性も考えましょう。
知人に物件について問い合わせしてもらい、その際に申し込みが入ってるので別の物件を紹介しますなどと言われる場合には完全黒ですね。
空室要因⑤ 賃貸募集上の情報が誤っている
空室の要因として、募集している物件の情報がそもそも誤っているという可能性があります。床暖房があるのに記載がなかったり、室内洗濯機置場が特殊なサイズにしか対応していないのに設備の詳細について理解していなかったりすると、案内時にお客様の不信感につながる可能性があります。間取り図に部屋の収納スペースの記載がなかったり、方位記号の記載がまちがっているなど、募集時の販促用図面に誤りがある場合、本来獲得できるはずの入居者を契約から遠ざける要因にもなりかねないのです。SUUMOやHOMESなど個人でも確認できるサイトで、設備や間取りの記載に間違いがないか自分でも確認してみましょう。
空室要因⑥ そもそも募集サイトに掲載されていない
REINSやATBB、SUUMOなど大元の募集用サイトに一度情報を登録すると、その情報を削除するまで情報が残るというわけではありません。どの媒体においても掲載期間が定まっており、定期的に更新をしないと勝手に情報が消えてしまう可能性があるのです。特にREINSは掲載期間が短く、定期的に確認をしていないと募集が落ちている可能性もあるのですが、仲介業者が主に使うデータベースであるREINSに情報がないということは客がほとんどつかないことになってしまいます。募集サイトの情報は自分で確認できるサイトだけでもチェックしてみることが重要です。
空室要因を把握し、適切な空室対策を!
もうすでにお分かりの通り、管理会社の募集方法に問題があることが空室が発生してしまうほとんどの要因となっています。まずは、ご自身で確認できる範囲で6つの空室要因をチェックしてみてください。管理会社側に問題があるとわかれば、それを伝えるのではなくオーナーから評価の高い不動産管理会社に管理を切り替えてみるのも1つの手です。
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