質のいい入居者って?入居審査で重要視すべきポイント
2020年8月3日
質のいい入居者って?入居審査で重要視すべきポイント
賃貸物件の募集を初めて入居者の申し込みが入ったら、保証会社や仲介業者の審査後にオーナー様が入居を認めるかどうかを判断します。
仲介業者のような業界のプロが入居審査を通しているのなら確認なしでもそのまま入居者を通していいとご判断なさるオーナー様もいらっしゃいますが、仲介業者を信用しすぎず、大切な物件に入居する方の審査です。オーナー様ご自身でも入居審査において注視するべきポイントを把握しておきましょう。今回は、入居審査において注視すべきポイントや、外国人や生活保護受給者といった属性を持つ入居予定者の扱いについて実例を踏まえてお伝えしていきます。
入居審査での審査ポイント
入居審査でどのようなことを聞くのかチェックしてみましょう!
全入居者の氏名、連絡先、現住所、生年月日、性別、契約書との続柄、勤務先
・転居理由
引っ越しの理由と正当性、居住用か事務所用かなど物件の利用目的、該当物件を選んだ理由、現物件の居住年数
・その他
付属設備利用希望の確認(駐車場等の不正利用を防ぐ)、緊急連絡先の確認
しっかりと情報の裏取りをして、審査をするならばオーナー様が何もこだわらなくても大丈夫なのでは?とお思いになるかもしれませんが、冒頭でお伝えした通り、ご自身が判断基準を明確に知っておく必要があります。というのも、ここまで詳しく入居者から情報を引き出す不動産会社は少ないのです。なぜ入居審査で手を抜く不動産会社が多いのか解説していきます。
短期解約の危険性があるだとか、家賃滞納のリスクがある職種だとか、明らかにグレーゾーンの入居希望者でも、なんらかの補足をつけてオーナー様を納得させ、入居者を獲得する業者もこの業界には多いです。
短期解約されようが家賃を滞納されようが、不動産会社にはデメリットがないためです。毎月の賃料は保証会社から一定日に送金されるため、毎月の管理手数料は必ず不動産会社に入るという点と、短期解約をされたとしても、不動産会社への報酬は契約時に仲介手数料として発生しているため、その後のダメージはありません。
オーナー様にとっては解約後の原状回復費用の発生やまた新たな空室期間の発生によるデメリットがありますが、むしろ不動産会社にとってはまた新しい募集をかけて成約報酬を獲得できるチャンスということになるので、メリットとなるのです。
避けるべきリスク
質のいい入居者を入居させたいといっても、入居審査の基準を厳しくしすぎてもなかなか入居者が決まらない場合もございます。よくオーナー様から質問をいただくのが、外国人や生活保護受給者は入居させるべきではないの?といった内容です。幅を狭めて、そういった属性を持つ方々全ての入居を拒否すると本当は家賃も必ず振込するし、入居中のトラブルも起こさないし普通に生活してくれるといった入居者を拒否してしまうことにも繋がりません。
それでは、実際にどのようなトラブルがあり、そのトラブルをどう防げるのかについてお伝えしていきます。
外国人の入居トラブル
外国人の方でオーナー様がよく気にされる点は生活習慣の違いです。例えば、ごみの捨て方やお部屋の使い方などが問題として上げられます。生ごみをゴミ捨て場に袋にいれずに捨てていたり、お部屋の使い方が粗かったりなど、日本での生活様式に相当慣れているような外国人であれば問題が起こる心配はないと思われますが、基本的には外国籍の方はお断りするといったオーナー様もいらっしゃいます。
というのも、仮に問題が起きた際に、母国語が日本語でないため、注意や通告が正しく伝わらず、問題が一向に解決しないといった可能性も考えられるためです。
生活保護金の給付は、対象地区の生活福祉係が行なっており、家探しなども役所の方が行なっているため、役所の方に状況の確認や入居者といつも連絡が取れているかなどを確認するべきです。
水商売の方の入居トラブル
近隣トラブルに巻き込まれる可能性があります。また、コロナの影響等もあり、夜の街関連の仕事をしているかたの収入が危ぶまれます。経済が麻痺するとそういった飲食店に行くことが少なくなり、相対的に収入が減っていきます。特に今回の感染症では夜の飲食店の利用を避けるようにといった都知事からのお願いがでていることもあることから、またこのような感染症が発生した際に同様のリスクを被ることになります。水商売の方からの需要があるエリアであれば、経済が安定している時であれば、入居を許可してもいいのではないかと思います。
リスクをとるか、即入居が決まるならとリターンをとるかは自分次第です。しかし、先々のことを考えると、家賃滞納が慢性的に続いたとしても借地借家法をたてに入居者を追い出せない可能性もありますし、入居者が死亡した場合に賠償金を請求できない場合や、お部屋を必要以上に汚されても原状回復費用を回収できないことなど、たくさんのリスクが想定できます。
少なくとも都内の物件であれば、閑散期以外では賃貸の需要が下がることもそれほどないので、賃貸相場に見合った価格で募集をすれば空室リスクはまず避けられるでしょう。
地方物件となると話は別です。年々、人口が少なくなっていることもあり、入居者がなかなか決まりにくいといった可能性も有ります。いずれにせよ、外国人なら日本語の通じる常識のある方のみとしたり、生活保護受給者なら保証会社に加入できる方限定にしたりと一定の限度をもつことでリスクをなるべく少なくしましょう。
どんな入居者に入居して欲しいかどうかはあらかじめ自分の中で定めておき、入居希望者がその基準に合うかどうかしっかりとチェックするようにしましょう。入居者の幅を狭めすぎても空室期間が長引いてしまいますし、幅を広げすぎると、早々に入居者が決まっても何らかのトラブルに巻き込まれる可能性が増すことになります。
リスクをとるかリターンをとるか、どちらを優先するかはご自身が決めるべきことです。仲介業者や不動産会社の言葉を鵜呑みにせずに、しっかりと判断していきましょう。
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